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脳への栄養となる”BDNF”ってなに?

article_2025_08_05 健康

はじめに

日々の生活に運動を取り入れることは、身体の健康だけでなく、脳の健康にも非常に重要であることが、多くの研究で明らかになっています。

今回は、実際に発表された論文を基に、なぜ運動が私たちの脳に良い影響を与えるのか、そのメカニズムを深く掘り下げてご紹介します。

脳の栄養となる”BDNF”ってなに?

運動と脳の関係を語る上で欠かせないのが、BDNF(脳由来神経栄養因子)というタンパク質です。

これは、脳の神経細胞の成長、生存、機能維持に不可欠な役割を担っています。

BDNFはいわば脳細胞の「栄養ドリンク」のような存在で、このBDNFが増えることで脳の記憶力や学習能力が向上すると考えられています。

最新研究が証明する、運動とBDNFの関係

2022年に学術誌『Frontiers in Aging Neuroscience』に掲載されたシステマティックレビュー論文では、身体活動がBDNFレベルに与える影響について、複数の研究を包括的に分析しています。

Effects of different physical activities on brain-derived neurotrophic factor: A systematic review and bayesian network meta-analysis

このレビューによると、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動はもちろん、レジスタンス(筋力)トレーニングも、若者から高齢者まで、健康な人から疾患を持つ人まで、BDNFレベルを効果的に上昇させることが示されました。

さらに、この効果は一過性のものではなく、継続的な運動によってBDNFレベルが維持されることが示唆されています。つまり、単発の運動だけでなく、日々の習慣にすることで、脳を健康な状態に保つことができるのです。

運動がもたらす具体的なメリット

これらの研究から、運動がBDNFを介して脳にもたらす具体的なメリットは以下の通りです。

  • 記憶力・学習能力の向上: BDNFは、記憶を司る脳の海馬という部位で、新しい神経細胞の生成(神経新生)や神経細胞同士のつながり(シナプス)の強化を促します。
  • 認知機能の維持・改善: 高齢者や、アルツハイマー病、パーキンソン病といった神経変性疾患の患者においても、運動がBDNFレベルを向上させ、認知機能の低下を緩和する可能性が示されています。
  • メンタルヘルスの改善: BDNFは、うつ病や不安障害の症状緩和にも関連しているとされ、運動によってそのレベルが上がることで、精神的な健康もサポートされます。

まとめ

運動は、単なる体力向上やダイエットのためだけではありません。

科学的な視点で見ると、運動はBDNFという脳の「栄養」を増やし、私たちの脳をより健康に、よりパワフルにするための最先端の「脳トレ」と言えるでしょう。

ウォーキング、ジョギング、筋力トレーニングなど、どんな運動でも構いません。

無理のない範囲で、今日から運動習慣を始めてみませんか?あなたの心と体を両方とも健やかに保つための、確かな一歩になるはずです。

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